椿りつの忘備録

椿りつの学びの記録や気づきをまとめたブログです。

SF創作講座の新年会が楽しかった!

本日(1月26日・土)、ゴッドガンレディオの収録(架旗さん、高岳さん、江頭さん、椿)の後に、ゲンロンSF創作講座1期〜3期通しての新年会がありました。


せっかく皆さんにお会いできてとてもとても嬉しかったので、
出会った方ひとりひとりとどんなお話をしたか記録しておこうと、
ひさしぶりにこの忘備録を書いています。

甘木さん
まず席についてすぐ、久しぶりの甘木さん♪ペンネームのつけ方の件で今年も締め切りが1月31に迫るアガサ・クリスティ賞の以前の受賞者「オーガニックゆうき」さんのお名前に言及されていました。このお名前を口にするまで引っ張りに引っ張られるので、最終的には私の耳、甘木さんの座っている椅子の半分くらい上空まで甘木さんに寄ってしまいました。会話でこたえを言わずに耳をダンボにさせるのも上手、さすがの甘木さんでした♪


大森先生
大森先生が黄色に黒のラインが入った生地の、まさに季節感たっぷりの鬼のシャツで乾杯されました。SF創作講座を始める当初は「生徒が集まらなくて先生方に謝らなければいけなかったらどうしよう」と本気で心配されていたけれど、これだけ大盛況で4期5期と続きそうないきおい。こんなに世の中にSFを書く人間を増やしてどうするのか。と思ったりもされるそう。集まった人数を見て、学校の先生が同窓会に呼ばれたときのような気分、と。感慨深そう。記念撮影より先に帰られてしまったのでほんとうに残念でした。一緒に写っていただきたかった(!)あの🐯シャツで。

升本さん
席がお隣だった1期生の升本さんとお話。ダールグレンラジオ出演の際に私が書いた『ハピタブル・モーション』の梗概をよんでくださっていたとのこと。なんとあの『SF小説の書き方』の文字起こしをされた方でした。関わられているお仕事が教育系の方だったのを良いことに、モンテッソーリの数のおしごとの写真をお見せして、どうやったら保育の現場にモンテッソーリ教育を増やせるかという課題をSF小説を通してアプローチできるか考えている。というお話を聞いていただきました。升本さんには、そのお話しを「野望」とおっしゃっていただいて。私もそれが「野望」なのだと認識し始めました。
ハピタブル・モーション – 超・SF作家育成サイト


生田目ケイ(なまだめけい)さん
同じテーブルに座っていらした生田目ケイさんとも初見のご挨拶をさせていただきました。『青の時間、星の時間』ではダークウェブ(闇網)を扱っていらして、その実態についてVRの世界なのか実際の世界なのかよくわからなくてもやもやしていたのですが、さきほど見ていたら1月25日に更新された冬木さんのレビューでこの本が紹介されていて、もしかしたら、この本を読めば『青の時間、星の時間』の世界観の解像度がぐっとあがるかもしれない、などと考えました。

生田目さん実作 青の時間、星の時間 – 超・SF作家育成サイト

冬木さん:闇網についてのご本レビュー
「自由」の旗印のもとでうごめく独自の文化圏──『ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』 - 基本読書


八嶋さん
そして、久しぶりにお会いした八嶋さんとは、後日ゲンロンで開催される三宅陽一郎先生とドミニク・チェンさんと東さんの対談のお話から、三宅先生の哲学の授業のことを伺いました。この日は藤井先生と池澤春菜さんのイベントもあるのでほんと悩ましいです。ずっとお礼を言っていなかった『レアンドロ・エリック展』のチケットについて、やっとお礼を言えました。子どもたちと行って、本当に楽しかった展覧会でした。


天王丸景虎さん
めっちゃすごかった!ゲーム会社のディレクターさんで、
しかも、シナリオチームリーダーさん。なので、実際に「売るため」の作品を作り出す方法論をお持ちで、実際に再現できるいくつかを教えていただきました。

これは…のちほど別に忘備録を書きますね。
チームでワークショップのように試すこともできそうですし、
Twitterを使えば一人で広くフィードバックを得ることもできそうです。
メモを読まれて気に入られた方法があった方は、ご自身の作品にぜひぜひ試されてみてください。

ヒラギノさん
貴重な貴重な10月6日の京フェスでの講義や先生方のフリー対談で聞かれた
ことをメモされた黒くて薄い『ヒラギノノート』を見せていただきました。
ヒラギノさんの崇拝する飛先生の話されたという言葉のなかに、
これはたいせつ。とアンテナに刺さった言葉をみつけました。許可を得て、
わたしもメモさせていただきました。

伊藤さん
ゴッドガン・レディオで進藤さんの梗概(3回目のもの)をもとに書かれた実作小説『イキワカレイモウト』を読ませていただいたので、そのことについてお話ししました。この梗概を取り替えて他の方の考案した作品を書くという試み、進藤さんの『白虎夜』もとても面白かったです。

この「取り替える」試み、『GGR』の収録では高岳さんが本家のゲンロンSF講座に怒られてしまうのではないかと懸念してらしたのですが、大森先生に面白い試みだと言っていただけていたそうで、特に『イキワカレイモウト』などは梗概された進藤さん分と別人の伊藤さんの作品が2本出来上がっているので比べても面白く、のちのアンソロジー企画の原案にもなっていく芽のある試みなのではないかと思いました。

 

進藤さん編 イキワカレノイモウト – 超・SF作家育成サイト

伊藤さん編 イキワカレノイモウト – 超・SF作家育成サイト

進藤さん編 白虎夜 – 超・SF作家育成サイト

名倉さん
先日の『うつくしい繭』イベントがあることをきっかけに読んだ『異セカイ系』がとても面白かったので、もうほんとうに感謝して帰りました。自宅に忘れてきてしまった『異セカイ系』のかわりに新作の掲載されている『クライテリア第3号』にサインしていただきました♪電車の中で読んできたけれど、対談もとても素晴らしく(乗り過ごして山手線ぐるぐるしました)、こんなに効果を考えられた上で、あの素敵な「好き」たちが積み上げられていたんだな、と考えると胸が熱くなりました。「好き」についてここまで入り組まれて熱く語っている文章をわたしは他に知らないので、椿のなかで「好き」を表現されるフラッグシップ作家は現在名倉編さんに決定いたしました。いただいたサインまで「Anagram」で、この「しくみ」の手の入りようときたら!

みわさん
週末に不摂生をしたため風邪をひいて、『うつくしい繭』イベントに行けなくて本当に残念だったのですが、こちらでみわさんにお会いできてよかった♪♪♪
『異セカイ系』とおなじく『うつくしい繭』まで置いてきてしまってサインをいただけなかったのですが、この後、創作のために籠られた(冬ごもりならぬ創作籠もり)あとは、きっとまたお会いできる機会があると信じてやみません。その際は東ティモールのコーヒーを持ってきてくださるそうで♪たのしみです♪

キリカさん
キリカさんが現在書いていらっしゃる小説を届けるべくジャンルについてのお話ししました。キリカさんは、お話のかっこいい設定をいくらでもくるくると思いつかれる、しかもそれを読ませる形に到達することができるめっちゃすごい方なのです。ですので、ご自身が納得されるまで勝負されれば、行き着くところへたどり着く…!そしてそれは必ず評価につながる、と信じます。(応募、応援しています!)

円堂さん
子育て(しかも円堂さんはお仕事もされている)をしていると、円城先生のおっしゃっていた、創作前に必要な2時間。だけで1日が終わってしまう。。。
その準備時間で書くまでに至らない…。と「あるある」をお互いにお話しました。
この問題は本当に、個人差もあるでしょうし。なかなかままならないのです。
しかし、円堂さんは働きママです。しかも、AI語を解するために、なんと明日からは数学の研修に通われて切磋琢磨されるとのこと。じんせいの時間に余裕ができたころ創作される未来の作品には、きっとAIや数学による厚みが増して、すごいところに到達されるはず…!椿もまけてはいられません。

英利さん
10年後に創作しておけばよかった!と悔やまないように少しでも書くことに近づく、とお話をされていました。
しかし、飛先生のお話されている「毎日30分書く」っていう習慣、
言うととても簡単にできそうなのに、どうしてこんなに遠いのでしょうか。

とっても嫌だったこと(やとっても楽しかったこと)の日記を細かく細かく、
これでもかと細かくつけられて、それを創作にする!というエネルギーに変換され、そしてそのまま実際の創作に出力にもっていかれる、というお話を伺いました。

伺いましたからね(!)(そして、こうして記録しております!)

谷さん
初めてお会いしました♪
お名前も写真もご本人のまま掲載されていて、思い切りの良い方なのだなという印象を受けました。第7回の実作がかわいらしくて、人間と交信するレモンがまるで、ティンカーベルのような妖精にみえるのです。絵本として製品化されている様子が目にうかぶような作品でした。以前のチェリストのお話がとても良かったと架旗さんから伺ったので、ぜひ読んでみたいと思いました♪

手ぶくろをはめたチェリスト – 超・SF作家育成サイト

鵜川先生

面白かった!(ご本人が!)そして、おおきかった!(お声が!)
新年会お開き寸前の鵜川先生ご本人の存在が、とてつもなかったです!

よく通る快声で、酔拳の達人のようにみなさんをゲンロンカフェから二次会会場へ誘導されていきました。さすがは、鵜川先生です。

ちなみに『ゴッド・ガン・レディオ』の
タイトルの音声ロゴは声も音楽も、鵜川先生なのですって(!)
さすがは落語の寄席からライブ、執筆までこなす先生です。

通称GGR、3期SF創作講座の選出外の梗概実作を読んで2期SF創作講座の有志が感想をお話する『ゴッド・ガン・レディオ』、まだ一度も聴かれていない方はぜひ、鵜川先生ご本人の快声が響きわたる冒頭のサウンドロゴだけでも聴かれてください。

この日収録した動画につきましては、1月27日に高岳さんがTwitterに流してくださいます。私も気付き次第、リツイートいたしますね!

斧田小夜さん
そして、忘れてはいけない帰りの電車内です。なんと3期の斧田小夜さんをひとりじめして第7回実作『スシュランの男』について伺ってしまいました。
このお話、面白いんです(!)なんと巨大魚が地球の海に卵を産みつけ、それが大量に孵化したが故に海面が上昇して東京が水没している未来、寿司のみをターゲットにした食べログ(スシュラン)を書いている男のお話しなんです♪♪♪

スシュランの男 – 超・SF作家育成サイト

なんと実際に食べたりお料理したりしながら書かれたそうで、もう、カンパチの描写など、読むと食べたくなってしまうくらい新鮮さが伝わってくるのです♪
しかも、豆腐のテリーヌに至ってはそのレシピ、実際お料理できるそうなのです♪
椿は食べ物に関するカンカク的な語彙を増やすのに、この作品を子どもたちに音読してもらおうとワクワクしています♪



それでは、
とてもとても長くなりましたが、ゴッド・ガン・レディオ収録と新年会、
ほんとうに楽しかったです♪

徳久さん、クイズ王の手腕を見せていただいてありがとうございました♪
椿も風神雷神図屏風尾形光琳を答えられて嬉しかった♪
(八嶋さんは本職(小説)で出番がたくさんありますから!)


幹事さん(維嶋さん、篠田さん、高岳さん、架旗さん)たちも、おつかれさまでした!


もう1月も終わりになりますが、
みなさまもSF界も、実り多き1年となりますように♪




椿 拝

月と液体生命体のお話をつくるために考えたこと

月が一番地球に近づく近点月は、約27日おきにくりかえされる。

月に関するエトセトラ

1、『月震』潮汐による月震が14日と206日の周期でおこることを利用する。
  月の表面から700kmのところで起こる、弱い。E総量は地球の1/1000億


2、『重力異常』月の重力には大変偏りがある。月の内部が固いからこの状況がある。
  表側では海の部分の重力が強い。
  (表側)海を作っている溶岩が、周りよりも密度が高い。
  (表側)推定される溶岩の厚さは8kmもある。
  (裏側)重力が弱いクレーターがある
   総じて、重力の重い側が地球に向いている。

3、表面から800kmは完全な個体。中心から700kmは完全に溶解

4、温度:表面14日周期で125c/−170c
     深さ1m下は常に−30度 計算すると深さ300mでは1000度

5、体積1/50・密度6割・質量1/81(地球と比べて)

6、クレーターの成因:起伏のある陸(圧倒的に多い・クレータ内岩石年齢46〜38億年)
           起伏のない海(あまりない)

7、海の成因:溶岩が作る比較的平ら。クレーター少ない。
       概ね円形。39〜32億年前に月の内部から出た溶岩。そのときに衝突していた
       クレーターは溶解してしまった。黒いのは、鉄やマグネシウムを多く含む玄武岩だから。

8、隕石衝突頻度:今から40億年前までに集中して起こった。

9、波ウサギ。潮汐の波頭にうさぎに姿を変えて、まずは海へ。そのあとに月へと赴く。

10、月の出没:星空の中を1日に角度で13度いどうする。複雑。神出鬼没。

11、春の三日月の皿にはスープがたくさん入る。秋の三日月の皿からは全部こぼれてしまう。
   傾きも季節によって変化する。

12、低い空は気流が悪く見えにくい。30度以上のときに見る。
   望遠鏡の倍率は80倍程度が望ましい。100倍を超すと月の高度に関係なく、気流の悪影響を受ける。

13、上弦の月前後は、クレーターが多い場所が欠けぎわになり、クレーターの見頃

14、月の影は老婆。木が生えている。ハトムギと稲の身が実る。一話の小鳥がとまった拍子に
   地上に実りが降り注いだ。人間のものになった。

15機織り女。インドネシアからポリネシア糸を紡ぐ女性。

16、正月の月見で首の影がなかったら、その年のうちに死ぬ。(影占い)

17、月待ち行事:宮沢賢治の童話:26夜待ち:人間の子供に両足を折られたクロウの子
   を横たえて、人間への仕返しを訴える若いフクロウを諌めるフクロウの坊さんの講釈
   の中、26夜の月がのぼり、月から出た雲に乗った写真菩薩がその子を迎えに来る。

18、魔女のアイテム:魔女の護符には三日月。水槽級で占うとき、正否は月の位相に関わる。
   大釜を使うときは銀貨を沈めて月に見立てる。なんでも映る鏡は月が見える時間に作り、
   年三回は月光にさらさなくてはならない

19、人狼伝説は日本には存在しない。16世紀ヨーロッパではレカントロピイといい
   自分が動物に変身したと信じ声や食べ物まで変わってしまう病気であるとして
   多くの人が裁判にかけられ殺された。

20、冥きより 冥き道にぞ入りぬべき はるかに照らせ 山の端の月

21、星夜の思い 月の杯

22、上田敏海潮音

23、堀口大学『月下の一群』『月光とピエロ』

24、金子みすゞ『晝(ひる)の月』

25、「冬木の月あかり寝るとする」(種田山頭火・『草木塔』)

26、『月長石』ウィルキー・コリンズ

27、『月夜と眼鏡』小川未明

28、『私を月まで連れてって!』竹宮恵子

29、『ノーマン』手塚治虫

30、『月見座頭』(『月見砂糖』って変換された。字面かわゆす。)

31、『象徴の烏賊』生田春月

 

                 
   重力の低い月で聞くからこそ楽しい音楽。
   波形の影響も、月と地球では、耳に楽しい音楽が異なる。
   2週間ごとに昼と夜を繰り返す。


  書き手は結論を明確に抱いて、それを伏せる。
  月での暦、カレンダーの(12節気などの)作成・地球の見え方のシミュレーション。
  砂漠。月は石ばかりの環境。比較的強い植生の竹や笹が繁茂していて、まさに竹取の世界。
  というコロニーがある。日照の強すぎる暦では、日を遮る

 楽しさだけでなく、恐怖を奮起させる。怒りをにじませる。その時の社会的背景。
 「そのとき面白いもの」「いつでも面白いもの」をどう狙うか。
  その時面白いもの: お笑いで流行っているコンビなど。
  いつでも面白いもの:伝統的なスタンダードな衣装・ギリシア悲劇・客席との距離
            間の取り方・音楽(小鼓・笙・笛・拍子木)


 物語の結論:自分なりの立脚点にたてたことで、相手を手放しでは認めないまでも、
    親を祝福しようと試みるマモル。
          (参考:ウェストールの『かかし』の親子関係)

 読者は読み終わった後、どういう感情を持っているか。
   →心から、ここにいる人物一人一人がそれぞれ納得する行動をして、
    いまここの関係性に極まったのだと納得できて、この世界に強い肯定感が生まれている。
    物語の結末に満足していてほしい。

挑戦:伝統芸能が地球に伝わり宇宙で育まれ、進化したという設定。
   室町から続いている能や歌舞伎が現在まで発展したように、
   地球の文化を懐かしむ人たちがフィジカルな場面として月面としては贅沢な環境を
   作って楽しむことに特化した、五百年の伝統芸能サーカスを描く。文化の宇宙転移と
   地球上での模倣性との模倣具合の差異の確認。



  地球と軌道エレベータ軌道エレベータのターミナルから月まで。月への軌道エレベータは近点日期間限定で
  月旅行推進週間。→軌道エレベータについては勉強が足りなすぎてハードなSF者から見るとあまりにも穴だらけ

  で読みづらいらしい。


***
  〇〇になって2.3時間、どんな気持ちがしたかメモしていく。

 →2、3時間とか無理だった。静かなところでひとりで15分タイマー計って

  紙に書き出していったほうが良いかも。
  スタート:今から朝にかけて:雨になってみる。

 

 

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SF創作講座 書けなかった『気持ち』実作を最後まで書く計画♪

こんにちは♪ 椿りつです。

小学校5年生と年長幼稚園児2名を育てている母で、2017年5月〜2018年4月末まで、ゲンロンのSF創作講座2期生としてひと月に一作、SF小説を書く試みをしてまいりました。

 

講座の仕組みとしては、クラスメンバー(40名)の中で先生方が毎月選出する3つの梗概(「結論まで書いたあらすじ」)を書いた人が、それを実作して、次月締め切りまでに提出する。という、シンプルかつハードなものです。

 

この4月20に最終実作を提出したのですが、まったくといっていいほど締め切りを守れない自分を見つけ、頑張った後はあれど作品としては難しい、なんとも散々な提出をすることになりました。

 

小説を書く機会がなかなかないので、梗概が選ばれようが選ばれまいが、締め切りに対して実作を全部、どんなに短くとも書こう!って決めていたので、

 

一年経って。

課題梗概は、全部提出したけれど、全て選出外。

実作は3回未完のものばかり。という現実を見ています。

 

SFジャンルと相性の悪いテーマをSFをよく知らない私が書こうとしているのですから、先生方のSF脳に、私の思い描くイメージを届けるのがまず、難しい。そのうえで、届いたとしても先生方がSFとして認識されるようなレベルで書くのはなかなか難しい。というかまず、作品としての成立に届かない。よって選出されるのは難しかったのだな。と今更ですが、思います。

 

アピールしてSFに新たな風味の作品を提出するには、まったく実力が足りず。

書いていくうちに、どうしても説得力のある描写の積み重ねや切実に子どもと向き合った魅力的なエピソードのアーカイブが自分にはないんだ。とも気づかざるを得ませんでした。

 

それでも、これは何かが生まれるかも!と思う楽しいテーマと自分の脳内イメージが出会ったことは魅力で。

なかでも、締め切りには間に合わなかったけれど、これは計画して書きたい!と思ったのが、

中学生の頃からずっと読んできた新井素子先生に出していただいた課題から提出した梗概です。

school.genron.co.jp

 

前の課題から考えていた『お月さま』をテーマにした作品の世界観から設定を借りてきたうえ、先生方から助言をいただいたり、ダールグレンラジオのパーソナリティ、美和さんに応援していただいたこともあり、ぜひ、計画をたてて書きたい。と思い、このブログを書きました。

 

計画は、週末8回と平日に時間を作ってあらすじのような掌編を小さく完成させ、それを積み重ねたあと、各自話を統合させて週末4回で50枚にしてみようというものです。

 

実作に向けて書いていた作品がすでにありますが、こちらもブラッシュアップして上げるか掌編に組み込むか考え中です。

 

今気持ちが最終実作の『はんぶんカフェ』の完成にも向いているので、完成を1月にして、並行して着手していきます。具体的な掌編締め切りのスケジュールも出さなきゃ。

 

この週末までに、梗概を書いたときに調べた資料をこのブログにUPしていって、リマインダーにしようとも思っています。

 

きっと懐かしくて、ああ、こんなこと考えていたんだ、そうだった♪

アンディ・ウィアーの『アルテミス』を読んで、このリアリティのある設定に憧れたのだった♪などと、資料を見ながらワクワクできると思うと楽しみです♪

 

興味を持っていただけたら、ぜひ応援してください。

  1.  
  2.  

 

宮内悠介『盤上の夜』

はじめに、この企画を機会に、この一ヶ月で宮内悠介先生の作品を集中的に読みました。
心を傾けたくなる作品がとても多く、こんなに次々とページをめくってもいいのだろうか。
と納得の咀嚼などできないままページをめくる毎日でしたが、なかでも、忘れた頃にページを開くたびに
響き、刺さる作品がありました。
 
また、『カブールの園』を読んでいる間は、移動している間や移動先でも作品に向き合いましたので、
多くの刺激を受けながら、作品と自分との関係を紡いだ実感がわきました。
本当に至福の機会をいただいたと感じています。
改めて、主催者の方及び宮内悠介先生に、お礼を申し上げたいとおもいます。
 
それでは、作品についてお話しいたします。
私は宮内作品が好きです。
 
最新作である『超動く家にて』にさえ、たとえくだらないお話を意図されていたとしても、
一筋縄ではいかない実直さを避けられない。そんな作家性が表れている気がします。
 
山田正紀賞を受賞された『盤上の夜』がたいへん胸に迫りました。
他の作品も目を通しはしたのですが、『盤上の夜』にまた目を通しますと、由宇と相田との関係の
魅力に、ただただ読み進めてしまいます。
 
この作品ばかりに集中すると、宮内先生の一生懸命とろうとされているバランスにまた舟幽霊のように
水を注ぐことになるかもしれないと知りつつ、この作品への言及を中心にさせていただこうと思います。
 
『盤上の夜』の内なる宇宙に入り込んでしばらく、由宇という名前の文字の意味を調べました。
「由」は”よしとする”。「字」は、手元の大辞泉によりますと、”建物・屋根・天幕などを数えるのに用いる”助数詞
なのだそうです。建物も屋根も天幕も、人が目を向けると、見上げることになるものです。
思わず、作中の”天空”を想起しました。相田九段によって言及されている由宇が登攀していたという棋理の最果ての”天空”。
由宇は、”天空”への登攀数を数えるために存在していたのだな。と思いました。
 
そもそもなぜ由宇は、生きているのだろう。と私は思いました。
作中ではさらりと言及されているだけなので、その生々しさを直接受け止めることなく物語を読み進めて
いけますが、この物語の主人公である由宇は、”四肢欠損”、両手両足を切断されている存在なのです。
 
こんなこと、自分の身に起こるなんてとても考えられませんが、あえて考えるなら、本当に恐ろしいことです。
それが、どうしてこうまでして、生きてこれたのでしょう。
まだ中国にいて馬と暮らしていたころ由宇を動かしていたものはただ、”助かりたい”。その一心だったと思います。
その他のことを、考える余裕もなかったでしょう。ただ、日本の大使館へ連絡をして、”助けてほしい”。
そのことしか、考えられなかった。
 
「碁を覚えたのは趣味のためではなく自由になりたい一心だった」と作中にはありますが、
「自由になって、その身体でどうするんだい」という馬の冷笑に対しての反応は描かれていません。
しかし、由宇は囲碁と、相田九段に、出会ったのです。
 
由宇自身にも理解の及ばない心境のまま相田と碁を打った時、はじめて由宇は、自分の欠損に
目もくれず、弱者や嗜好品という立場であることを決定づけている自分の身体にもめもくれず、
ただ自分に一局を求める人間に出会った。
 
胸が熱くなりました。
 
どうして彼女は碁打ちとして本質的にすぎるのか。
どうして彼女は自らの魂の高さを問い続けているのか。
 
大丈夫だから、もう報われたから。
 
「空の果ては、冷たく、寂しいよ」
「それでも、二人の棋士は、氷壁で出会うんだよ」
 
読み返したラストで、由宇と相田九段の対局が、二人の出会った際の最初の譜をなぞっているのに
気づいてしまったとき、さらに涙がとまりませんでした。
 
 
 

夢のお話。(メロンパン編)

夢の話って、学びはないかもしれません。

それでも、起きてから気づいた驚きを、夢の中で生成された意外な組み合わせの記録を重ねていくことは、何かの気づきを形成するかもしれません。

 

そんなわけで、他愛もない今朝の夢を、ここに記録することにいたします。

 

二度寝で、夢を見ました。

一つ前に、別の夢を見ていたんです。

柴又のように時代がかった、まるで修学旅行で行くような異世界のような街並みのお店で
子ども達の好物のメロンパンを百円で買う夢です。

メロンパンがひとつしかなかったので、子どもたちががっかりするな。と思ったら、
カバンの中にもあともう一つ買っていたのを見つける夢です。

そしたら、今回の夢は、同じような店先で、女の人が、ホットプレートで鉄板焼きと焼きそばを同時に焼いているんです。
なんと、なんとそこには、6/1に切ったメロンパンも一緒に敷き詰められていたんです。
ソースを絡めた焼きそばと、一緒に今にも混ぜようとされるように…。

女の人の顔の詳細も思い出せます。三角筋をしてちょっと渋い赤茶色のエプロンをして、クリクリっとした目の
私と同じくらいかすこし年下の女性です。

目を疑いました。
だって誰も、メロンパンを焼きそばと一緒に炒めようなんて、おもわないじゃないですか。

…夢、おそるべし。
夢、おそるべしですよ。

 

**

という、夢でした。

また夢を見たら、気軽に記録しにこようと思います。

2017年9月19日 高木豊さん講演『夢を追いかけるために』(後半)

高木豊さん講演 つづき

おまたせいたしました!後半を起こしましたので、ぜひご覧になってください♪

当日お子さん連れでいらしていて「講演をしっかり聞けなくて残念でした」というお母さんたち

にお会いして、ぜひお届けしたい、と思ったのと、読み返してみて、何度見ても取り入れていきたいな。

まだできていないな。というお話がたくさんあったので、楽しんで読みかえせました。

↓こちらは前半です。

『夢を追いかけるために』高木豊さんの講演について - 椿りつの忘備録

それでは高木豊さん講演『夢を追いかける為に』(後半)に参ります。

*(お子さんの)頭も悪い、と思われても不安がらないように。

とおっしゃられていました。


「勉強はいつだってできる。」

 

 高木さんは、引退してから早稲田の夜学で無料で勉強されたそうです。

 誘われて、小説家の授業を受けたとおっしゃっていました。

 小説家は恋愛を書いても「この一言をいいたくて書いている」

 というものがあるそうです。


このあと不徳ながら、私のノートが環境づくりのお話に飛んでいます。

居間にサッカーボール、バット・グローブ.ボールをおく

絵本・クレヨン・ボール・ブロックなどでも。とスポーツ以外の例もあげられていたと思います。

 

これは、片付けずにいつでも遊べるようにしておくことが大切なのだそうです。

 

また、親にとっては時間の管理に頭の痛いゲームについても、

子どもがそこで何をやっているのかを見ることが重要だそうです。


「とにかく黙って見る。どんな戦略や戦術を使っているかを、見る。」


これはきっと、野球やサッカーでも、目的をもってプレイをしているかどうかを見て、
親は適切な声かけやそれをするタイミングを意識する、ということだと思います。

また、思春期や反抗期についてもお話されていました。


「これは虫で言えば脱皮し始めた時期。皮を脱げないでイライラしている」そうです。

大人の第一歩で、興味本位で突っ張ってみたい時期なのだそう。

 

高木さん曰く「むこうが固いものになったら、こちらは柔らかいものになればいい」

 

「ああそうなんだ。それはご立派なこと。」と、大人なんだからスポンジのように

 口を挟まずに話を聞いてあげる。「ふ~んそれで。りっぱだね」

 

(ご自身は)野球をやっていないと反抗期があったと思う。

 「”ここで更生させなきゃは逆効果。」ともおっしゃっていました。

 

息子たちが相談しに来たら、向き合って必ず話をした。

(親に対して、子どもたちに向き合う時に)「後にして」はやめてほしい。

大事な話?じゃ、ご飯食べ終わってからゆっくり話そう。

 

ちゃんと向き合ってTVも消して、どういう悩み、話?

あ、これはこうだな?と思っても、全部を言わしてあげる。

まっこう否定がよくない。

 

ここでタイガーウッズの例をあげられていました。

タイガーウッズがプロに転向するとき、父親がアメフトの試合を見ている最中だったのに、

TVを消して向き合ってくれたそうです。

アメリカではアメフトの試合を見ることはとても大事な行事だそうで、

これを消してまで自分にむきあってくれる父親の存在がウッズにとっては大きかったというお話でした。

 

話し合いは、小さい時から始めておくと円滑。

(子どもにとって)「うちは話し合いのときはきちんと話してくれる。」という環境を整えておく。

その都度、対話をすることが、大事とのこと。

これには大いにうなづくのですが、…実情、私はなかなかできていないように思います。
対話の方法の習得や母の心構えのほか、こういうことをよく出来ているかたにもっと接近できたら、

そういった方法をうつしてもらえるのかな…。と、日々のことなので、意識していきたいと思います。

 

成人した息子さんたちが進路を進められた時の話題も参考になりそうでした。

 

まず、息子さんたちが高校生の時に、選択肢を5、6個考えられたそうです。

高木さんの場合は、息子さんたちがサッカーをされていたので、

1プロになる、2留学する3サッカーをやめる4専門学校に行く5大学に行く

 

という選択肢をあげ、とりあえず全部、みてきてごらん。と、

お子さんたちにそれぞれのいいところと悪いところを見てきてもらったそうです。

 

「どんな環境でどうなのか、ちゃんと自分で見てきてもらう。」ということを徹底されたとのこと。

「頭ごなしにこれダメだ。って決めるな。」と、興味のないかもしれない他の選択肢も、

きちんと自分で見ることをお話され、あとは決定権を子どもたちに与えられたそうです。

 

さらに、「決定した選択肢でもしなれなかったとしたら、その逃げ道を作ってあげる。」

とおっしゃっていました。例えば、医者だとしたら、浪人を許してあげる。などです。

 

嫌なことから逃げさせない。自分の得意なことしかやらなくなる。ともおっしゃっていました。

このあたりは、高木さんだから矛盾なくできるのかな。難しいな。

と思いながら伺っていました。

 

また、「高木豊式 どのような子供に育てればいいか3つの要素」も伺いました。

 

1、人の良いところを見れるような子供を育てて欲しい。

 

 わるい人は働く環境を暗くする。人の良いところを見れる人じゃないと前に進まない。
 家庭でもボジティヴなことを話す。(「あの子は素敵な子だね」など)

 (そうすると)前進できる子になる。自分の良いところで勝負していく。

 

2、ものの本質をしっかり見極められる子。

 

 家庭の中で子供の意見をしっかり聞いてあげる。

 →ゴマすり。ものの本質を変えてまで。

  生き方を変えてまでゴマをする?

 

  誰が言ったかではなく、何が正しいかでしっかり見極めができる子。

  自分の主張として正しいという意見をいえる、裏づけができる子。

  指示まち症候群はいみがない。

 

  本を読んだり映画を見たりすると良い。

  これは何を訴えているんだろう?ということを見抜けるかどうか。

 

 

3、能力よりもひとりでコツコツ真摯にできる子

 

  一生懸命やったら褒める。

  能力にあぐらをかくと、組織を軽視する。

  これは時期が来るとはぐれものになる。

  嫌なことから逃げさせない。組織にとって大切な人。

  なんでも良いから一生懸命コツコツやる子に。

 

3などは、野球というチームで結果を出すスポーツの世界出身の高木さんならではの視点だなと思いながら、おおきな成果をチームで出す為には、必要なことなのだろうな。と思いました。

 

なんどか「嫌なことから逃げさせない。」

とキーワード的なお話を伺いましたが、嫌なことへの向き合い方など、後ろからの応援が的確にできる高木さんご自身の力によるところも大きいお話かも。と思いました。母である私自身、なかなか嫌なことすべてに向き合っていると辛いところもあるので、ここはお子さん自身や家庭の状況で大きく変わっていくところでもありそうです。

 

そして、子どもの個性のお話に。

なんと、「せっかちも個性」だそうで、また、口は災いの元、と、ご自身の体験などを話されていました。

 

また、心と体の成長の為の運動のお話では、小さい頃は女の子の方が勉強ができ、

大きくなると男の子の方が体力的には差ができること、

反射神経や動体視力が小学校6年生で最大になることなどお話されていました。

 

幼稚園の今は、いかに反射的なことをやらせるかが課題とのことで、

ボールを持ってきて投げる遊びなど、反射的なことをやるほど脳の回転が速くなるそうです。

 

「食べさせる」「反射神経」をやらないとカメになる。

いかに速く動くか。

 

成長痛が出てくる中学時代は持久をテーマに、高校時代はパワーと瞬発。

 

その他質問コーナーでは、勝つという体験について、お話されてました。

 

「勝った」ということ

 

子どもは勝たなきゃいけない。

勝つ喜びも知らない状況でしょう?

勝つことを前提にモノをやるか、勝とうとしながらやるか。

勝算を見出すためには、みんなで考えさす。そこが面白い。

 

『勝算』を持って戦略が見えての戦い方が面白い。

 

先に取ったら守ろうよ。(など、)

よし、今日はみんなチームとして、こうやろう!と過ごすとみんなで楽しい。

 

いじめの問題についても話されました。

必ず、挨拶だけは子どもにさせる。

ありがとう、いってきます、ただいま、いただきます、ごちそうさま。

この挨拶の様子で(子どもが)サインを出すため、

「どうした?何か元気ない?」と察することができるそうです。

 

いじめの時だけは、親が口をだして守ってやる。

出て行って環境を変えてやる。

携帯、グループラインでのいじめ。何か態度で表す。

 

また、子どもを育てるための仲間がなかなかできないというお母さんには、
子育ての本当の仲間なんてそうそう見つかるものではない。というお話をとうとうとされていました。
もし出会えたのなら本当に幸運なことなのだそうです。

その他の質問です。

<質問1>母として、悩む。アウトドアで人付き合いがよくなくてはいけないのでは

子どもがお母さん、来てよっという時に応えてあげられるくらいでいい。

 好んでみんながたむろしているからって付き合うことない。

 そこが自分の良いとこ、個性。社会的な人もいれば、静かなのが好きな人もいる。悩む必要はない。

 

<質問2>子どもがピッチャーなのだが、エラーした人にひどく言ってしまう。

 →一生懸命投げてておたくの子は負けたくない。

  エラーした子が試合終わったらその子を呼んで、みんなでノックしてあげる。

  そうやってとれば、次はエラーしないね。それでいい。でも、あまり出すとチームプレイだから。

 

<質問3>幼稚園のお母さんにお勧めできる本や映画はありますか?

本は孫氏の『兵法』がいい。藤沢周平の『蝉しぐれ

映画では中国の映画の『最愛の子』がよかった。
 一人っ子政策の問題に対して提起している。中国の問題点を中国が考えている。

 親の愛がいかに深いか。子育ては片手間では無理。向き合ってください。



このあたりで時間がずいぶんおしてしまい、公園はおしまいになりました。

お話を伺った時のことを思い出しながらメモを読み返してみて、

高木さんがいかに子どもの自主性を尊重されているか、また、選択肢の全容を理解した上での

選択に重きを置かれているか、にお話の軸を感じます。

そして、そのうえでのサポートに余念がないところがまた、親の役目なのだな。と理解しつつ、
どう我が家のケースに当てはめていけるかな。と考えはじめています。




とても素敵な講演を、ありがとうございました。

 

(追記:
 斎藤孝監修の『こども孫氏の兵法』という本を購入し、少しづつよみ語りを
続けています。

 また、『最愛の子』を家族で視聴しました。見終わってすぐの長男(小4)がボソッと
 「お母さんはこんなに探してくれないよね」と、


 なんとなく照れくささや甘えが見える一言を発したのをはじめ、

 家族や親子とはなんなのか。人と制度についても考えを巡らす時間を得ました。
 ご紹介を、ありがとうございました。)

『夢を追いかけるために』高木豊さんの講演について

9月19日(火)、東京都の私立幼稚園PTAの関係で催された、高木豊(野球解説者)さんの講演を拝聴してきました。


PTA関係の父母を集める講演といえば、それぞれ忙しい時間をかけて足を運ぶものであり、

皆さん手分けをしていくもので、募集をかけても、芸能人の有名な方であったり、
上手に講演内容と目的を直接伝えないと、関心を持たれにくかったりします。

私も 講演と聞けばワクワクして足を運ぶのですが、正直、スポーツ全般に関心がなかったこともあり、
野球の解説者さんだと伺っていたので、きっと野球の専門用語が出てくるたとえで子育てをお話されるのかな。
くらいに思っていたところ、高木豊さんのお話が本当に面白くて、驚いたのです。
 
まず、700名のお母さんたちが集まる会場でお話されたので、高木さんはご自身が緊張している旨をお話されました。
アナウンサーの方がいて、高木さんの紹介(ご自身は野球選手だったのに、息子さんは三人ともプロサッカー選手)
お話の軌道の調整はしてくださったのですが、高木さんはまず、会場に、質問されたのです。
 
「私のファンはいますか?」会場から手があがると、指をさして、起立、と言います。
そして、ご自身のどこがいいところか、聞かれるのです。
 
ここで、おお!って思いました。
知らない人が700名、しかも、火星人と金星人などにたとえられる、異性700名を前にして、緊張している。
こんな状況から自分を持ち上げるのに、ご自身のファンの人からいいところを聞くって、その場でリラックス
できるようになるし、こういう場で悪口いう方っていないですもんね。
 
しばらくやりとりをして会場が馴染んだところで、お子さんの子育てのお話を、0歳から始められました。
高木さんによると、この辺りから3歳までの大切な時期、まずは「手をかけすぎない」とおっしゃっていました。
泣き叫ぶ時、あまりにも簡単に抱っこをすると、泣いたらなんでもやってくれると覚えてしまうのだそうです。
 
泣くことは赤ちゃんの運動。お腹を触ると泣くことで大きく動く。腹筋が強くなる。とおっしゃっていました。
100m走選手の腹筋はバキバキ。腹筋が強い人は、足が速くなるそうです。
 
問題がなかったわけではなかったご様子でしたが、ご自身の子育てにおいて、
長男には手を出しすぎ、次男はある程度放って置かれて、三男はほったらかしだったそうです。
 
お子さんたちの様子は幼稚園(3歳〜6歳)に入った頃から態度が変わってきたそうです。
愛情をもらったら、返そうとしてくるそうです。
親の目を意識するそうで、子供はサインを出す。ちゃんと向き合い、愛情を欲しがったら見逃さないようにしてください。
とのことでした。
 
この、愛情をもらったら返そうとしてくる、というのはよくわかります。私も次男三男、かわいいです。
 
 
この時期のお母さんは忙しくて、いつでも動いていて、子供が何か言いに来ても、「後でね。」や、
「あ〜もう、それでいいんじゃない」などと言ってしまいがちですが、きちんと応対してください。
「それ、大事な話?じゃ、後で話そう。」と、体を子どもに向けて、顔をキチンと見て話してあげてください。
と、おっしゃっていました。
 
ここできちんと向き合っていないと、親を意識せず、自分の世界に入って会話にならなくなるのだそうです。
サインを敏感に察知してください。とのことでした。
 
 
…ここで、冷や汗です。頭ではわかっているのですが、この、「人や子供と向き合う」私、とても苦手なのです。
意識してするようにしてはいるのですが、言われた通り、わかっていても忙しくしてしまい、ぎこちなくて、
もう、そんな自分が嫌になること嫌になること。
しかし、このお話を伺ってから、さらに意識するようになったので、とても良い効果でした。
(息子たちの幼稚園の先生は、常にそうしてくださっています。)
 
会場の母たちが一斉に、ああ、私できていないとざわざわして、それにちょっとおかしそうな声で、
「できてない?ダメじゃない。」
その上で、「人を育てるということは、大変なこと。一人を人間にするんですから。」
「片手間では、できません。」と。もうこちらは、どきり。ですよ。
 
子育てした上で、「やらなかったこと」も教えてくださいました。
小さい頃から兄弟として比べたことがないとおっしゃっていました。
「兄弟によって能力、個性が違う。絶対に比べないこと。」
 
「(何かが兄弟と比べてできないこと、など)周りが気を使うと子供はすぐわかる。ので、
子供のできないこともできることも受け止めて、ただできると信じてください。」
 
そのあと、子供の小学生、学童期のお話になりました。その頃になると、目標を設定してくるようになるそうです。
ここで、長女が医者になりたいと言っているという方とお話しされました。
 
「(お医者さんには)なれないと思います」とつい口をついて言ってしまうその方に、目を丸くされて、
「(そんなこと言ったら)ダメ、ちょっとここに座りなさい」と会場の、ご自身が座るはずだった椅子をさして、
笑いを取り、(ご本人は立ってお話しされることにしたので)「お医者さんは心も育ててあげてください」と
 
ご自身のお子さんの例をはなし始めました。
 
息子さん(たち)は、小学校6年生の時に、プロになると設定されたそうです。
 
環境から人は育つ。とおっしゃり、「もうプロなんだ」と、
「プロとしての意識を当たり前のもの」として生活されたそうです。
 
「プロだったら、そんな夜更かし、夜遊びしないよね。」
「もうプロにならないやつは変態だろ、みたいに育てました。」
 
そして、目標の時間とプロセスをしっかりと設定されたそうです。
 
「いつまでにここまでの技術を身につけるのか」
「いつまでに絶対にプロになるのか」
「ここまでに何をしなきゃいけないのか」
 
こうなりたい。と決めたら、時間を設定する。
「もうなるもんだと言う会話をしてください」
 
そうして、先ほどのお子さんが女医さんになりたいというお母さんに、
「お医者さんの優秀な人っていうのは、まず、心を直してくれますから、心を育ててあげてください。」
「女子医大は3教科ですから簡単。」とのアドヴァイスも。
 
心を育てるのには何がいいか。という話からか、木村佳乃主演の『初恋』というドラマの話に。
結婚した人は他にいる彼女が、その人しかできない技術で患者さんを治している初恋の人に惹かれていくと、
筋書きを披露し、 「いや、よかったですよ。『初恋』」
 
 
ここでアナウンサーさんが、ご自身は野球選手だったのに、息子さんたちがなぜサッカー選手なのか?
という疑問を投げかけ、ご自身の息子さんたちの話に。
 
三男坊は素質があり、プロになれていたそう。しかし、長男次男がサッカー優秀だと、そちらに引っ張られた。
次男と飲んだら、「親父はよく俺らにサッカーやらしてくれたな」と話されたそうです。
 
「親の能力を子供が持つと思わないようにしてください」
 
「なれると信じてあげる。応援してあげる。親にできるのはそれだけ。」
「子供は考える天才。できなかったら、どうやってできるのか、子供が考える。
 すぐ手を出すと、自分で考える発想をもぎ取ってしまう。」
 
「(子供が)困った時はすぐ相談できる環境を整える」
 
「子供なりに考えているので、最終手段としてきた時に、答えてあげる。」
「それまでは、褒め続けて」
 
やりたいことが見つからない子供もいるそうです。
子供によって、成長の遅い子、早い子がいて、早い子が自分の目標を見つけて向かっている姿を見て
親は焦るのですが、遅い早いを、比べないほうがいいそうです。
 
これは。親としてはやってしまいがちですが、自分に置き換えてみると、本当にうなづけるなと思いました。
 
「遅い子も、必ず何かを見つける。大学の時の子も、社会人になってから見つける子もいます。」
「信じることが、一番大事。」
「頭が悪いと不安がらないように。勉強はいつだってできる。」
 
これは、塾に行かない長男に、やきもきしてしまっていたので、とても染みる言葉でした。
 
 
 
「いつかは絶対目標を見つけて、こっちの道へ行ってくれる。と信じてあげる。
 親が、信じること。(これが大事)」
 
 
 
ここまでで、半分くらいです。
長くなってしまったので、本日はここまでにしますね。
また続きを書きます。