椿りつの忘備録

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『夢を追いかけるために』高木豊さんの講演について

9月19日(火)、東京都の私立幼稚園PTAの関係で催された、高木豊(野球解説者)さんの講演を拝聴してきました。


PTA関係の父母を集める講演といえば、それぞれ忙しい時間をかけて足を運ぶものであり、

皆さん手分けをしていくもので、募集をかけても、芸能人の有名な方であったり、
上手に講演内容と目的を直接伝えないと、関心を持たれにくかったりします。

私も 講演と聞けばワクワクして足を運ぶのですが、正直、スポーツ全般に関心がなかったこともあり、
野球の解説者さんだと伺っていたので、きっと野球の専門用語が出てくるたとえで子育てをお話されるのかな。
くらいに思っていたところ、高木豊さんのお話が本当に面白くて、驚いたのです。
 
まず、700名のお母さんたちが集まる会場でお話されたので、高木さんはご自身が緊張している旨をお話されました。
アナウンサーの方がいて、高木さんの紹介(ご自身は野球選手だったのに、息子さんは三人ともプロサッカー選手)
お話の軌道の調整はしてくださったのですが、高木さんはまず、会場に、質問されたのです。
 
「私のファンはいますか?」会場から手があがると、指をさして、起立、と言います。
そして、ご自身のどこがいいところか、聞かれるのです。
 
ここで、おお!って思いました。
知らない人が700名、しかも、火星人と金星人などにたとえられる、異性700名を前にして、緊張している。
こんな状況から自分を持ち上げるのに、ご自身のファンの人からいいところを聞くって、その場でリラックス
できるようになるし、こういう場で悪口いう方っていないですもんね。
 
しばらくやりとりをして会場が馴染んだところで、お子さんの子育てのお話を、0歳から始められました。
高木さんによると、この辺りから3歳までの大切な時期、まずは「手をかけすぎない」とおっしゃっていました。
泣き叫ぶ時、あまりにも簡単に抱っこをすると、泣いたらなんでもやってくれると覚えてしまうのだそうです。
 
泣くことは赤ちゃんの運動。お腹を触ると泣くことで大きく動く。腹筋が強くなる。とおっしゃっていました。
100m走選手の腹筋はバキバキ。腹筋が強い人は、足が速くなるそうです。
 
問題がなかったわけではなかったご様子でしたが、ご自身の子育てにおいて、
長男には手を出しすぎ、次男はある程度放って置かれて、三男はほったらかしだったそうです。
 
お子さんたちの様子は幼稚園(3歳〜6歳)に入った頃から態度が変わってきたそうです。
愛情をもらったら、返そうとしてくるそうです。
親の目を意識するそうで、子供はサインを出す。ちゃんと向き合い、愛情を欲しがったら見逃さないようにしてください。
とのことでした。
 
この、愛情をもらったら返そうとしてくる、というのはよくわかります。私も次男三男、かわいいです。
 
 
この時期のお母さんは忙しくて、いつでも動いていて、子供が何か言いに来ても、「後でね。」や、
「あ〜もう、それでいいんじゃない」などと言ってしまいがちですが、きちんと応対してください。
「それ、大事な話?じゃ、後で話そう。」と、体を子どもに向けて、顔をキチンと見て話してあげてください。
と、おっしゃっていました。
 
ここできちんと向き合っていないと、親を意識せず、自分の世界に入って会話にならなくなるのだそうです。
サインを敏感に察知してください。とのことでした。
 
 
…ここで、冷や汗です。頭ではわかっているのですが、この、「人や子供と向き合う」私、とても苦手なのです。
意識してするようにしてはいるのですが、言われた通り、わかっていても忙しくしてしまい、ぎこちなくて、
もう、そんな自分が嫌になること嫌になること。
しかし、このお話を伺ってから、さらに意識するようになったので、とても良い効果でした。
(息子たちの幼稚園の先生は、常にそうしてくださっています。)
 
会場の母たちが一斉に、ああ、私できていないとざわざわして、それにちょっとおかしそうな声で、
「できてない?ダメじゃない。」
その上で、「人を育てるということは、大変なこと。一人を人間にするんですから。」
「片手間では、できません。」と。もうこちらは、どきり。ですよ。
 
子育てした上で、「やらなかったこと」も教えてくださいました。
小さい頃から兄弟として比べたことがないとおっしゃっていました。
「兄弟によって能力、個性が違う。絶対に比べないこと。」
 
「(何かが兄弟と比べてできないこと、など)周りが気を使うと子供はすぐわかる。ので、
子供のできないこともできることも受け止めて、ただできると信じてください。」
 
そのあと、子供の小学生、学童期のお話になりました。その頃になると、目標を設定してくるようになるそうです。
ここで、長女が医者になりたいと言っているという方とお話しされました。
 
「(お医者さんには)なれないと思います」とつい口をついて言ってしまうその方に、目を丸くされて、
「(そんなこと言ったら)ダメ、ちょっとここに座りなさい」と会場の、ご自身が座るはずだった椅子をさして、
笑いを取り、(ご本人は立ってお話しされることにしたので)「お医者さんは心も育ててあげてください」と
 
ご自身のお子さんの例をはなし始めました。
 
息子さん(たち)は、小学校6年生の時に、プロになると設定されたそうです。
 
環境から人は育つ。とおっしゃり、「もうプロなんだ」と、
「プロとしての意識を当たり前のもの」として生活されたそうです。
 
「プロだったら、そんな夜更かし、夜遊びしないよね。」
「もうプロにならないやつは変態だろ、みたいに育てました。」
 
そして、目標の時間とプロセスをしっかりと設定されたそうです。
 
「いつまでにここまでの技術を身につけるのか」
「いつまでに絶対にプロになるのか」
「ここまでに何をしなきゃいけないのか」
 
こうなりたい。と決めたら、時間を設定する。
「もうなるもんだと言う会話をしてください」
 
そうして、先ほどのお子さんが女医さんになりたいというお母さんに、
「お医者さんの優秀な人っていうのは、まず、心を直してくれますから、心を育ててあげてください。」
「女子医大は3教科ですから簡単。」とのアドヴァイスも。
 
心を育てるのには何がいいか。という話からか、木村佳乃主演の『初恋』というドラマの話に。
結婚した人は他にいる彼女が、その人しかできない技術で患者さんを治している初恋の人に惹かれていくと、
筋書きを披露し、 「いや、よかったですよ。『初恋』」
 
 
ここでアナウンサーさんが、ご自身は野球選手だったのに、息子さんたちがなぜサッカー選手なのか?
という疑問を投げかけ、ご自身の息子さんたちの話に。
 
三男坊は素質があり、プロになれていたそう。しかし、長男次男がサッカー優秀だと、そちらに引っ張られた。
次男と飲んだら、「親父はよく俺らにサッカーやらしてくれたな」と話されたそうです。
 
「親の能力を子供が持つと思わないようにしてください」
 
「なれると信じてあげる。応援してあげる。親にできるのはそれだけ。」
「子供は考える天才。できなかったら、どうやってできるのか、子供が考える。
 すぐ手を出すと、自分で考える発想をもぎ取ってしまう。」
 
「(子供が)困った時はすぐ相談できる環境を整える」
 
「子供なりに考えているので、最終手段としてきた時に、答えてあげる。」
「それまでは、褒め続けて」
 
やりたいことが見つからない子供もいるそうです。
子供によって、成長の遅い子、早い子がいて、早い子が自分の目標を見つけて向かっている姿を見て
親は焦るのですが、遅い早いを、比べないほうがいいそうです。
 
これは。親としてはやってしまいがちですが、自分に置き換えてみると、本当にうなづけるなと思いました。
 
「遅い子も、必ず何かを見つける。大学の時の子も、社会人になってから見つける子もいます。」
「信じることが、一番大事。」
「頭が悪いと不安がらないように。勉強はいつだってできる。」
 
これは、塾に行かない長男に、やきもきしてしまっていたので、とても染みる言葉でした。
 
 
 
「いつかは絶対目標を見つけて、こっちの道へ行ってくれる。と信じてあげる。
 親が、信じること。(これが大事)」
 
 
 
ここまでで、半分くらいです。
長くなってしまったので、本日はここまでにしますね。
また続きを書きます。