2/2維嶋津さん「いえ喰ういえ」電子出版記念イベント!に行ってきました♪
『架空街区』 人はなぜ架空世界を求めるのか?
遅くなりましたが、維嶋津さんの「いえ喰ういえ」電子出版記念イベント!メモを置きに来ました。
11歳になる長男を連れて参加したのですが、トークが本当に面白かったです。長男も、登壇者さんの著作を読まないとわからない内容かと思って緊張していたら、そんなこともなく楽しめて面白かった。と言っていました。下の子たちを引き取る時間が迫っていたので、なんと八島さんのトークを残しておいとまする失礼をしてしまったのですが、そこまでのトークも、本筋からの脱線を含めて面白くて仕方なかったです。
ところどころ、筆が追いつかなかったところがありますが、以下、ノートに書いたメモからの記録です。
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始まりは、維嶋津さんをMCにした新城カズマさん、今和泉隆行さん、八島遊舷さんのトークからでした。
良いか悪いかは別として、無限に設定を作り込みたくなる衝動がどこから来るのか、創作背景なども含めてお伺いしたい、と維嶋さんが尋ねると、
「楽しいから。なんで楽しいかなんて考えないでやっている。編集さんが止めに来る。」と、まずは新城さんよりお答えがありました。
どんな瞬間にうぉぉーって、興が乗るんでしょうね?と維嶋さん。
「時間変化、あるのかな?」と新城さん、考え込む様子をみせられた後、「他のことやらなくてもいい時間。」と、答えられます。
新城さんの架空世界の設定期間は盛り上がりに波があるそうです。この時期は貯金がある。この時期は締め切りがない。など。
「私自身は、楽しくて紙と筆記用具さえあれば、独房でも逃げずにやっているはず。」
ここから、地図を書かれている今和泉さんが、
「”楽しい”と思う瞬間。未知の世界に対する好奇心それに近い。」と、架空世界への衝動について語られます。
今和泉さんは「インプットが弱くてアウトプットで理解するタイプ」なのだそうです。
「自分の手で再現して、”分かった!”と初めて手応えを感じられる。旅行でマチュピチュなどを見に行った人が、史跡を見ながら”ここに人がいたんだ”と感じるのに近い。」
「どこにピークがあるって作ったものを発表する気はなかった」運河を入れたり湖を入れていたのは中学生くらいの頃で、ご自身が書かれた地形があって、それをアップデートするのが最近。「たとえばお城の近くに工場があるのはありえない。と自分の知識がアップデートされた瞬間、このニセモノが許せなくなる。いやニセモノなんだけど…。」
八島さん、
「私の場合は、テーマがまずあって、そのテーマのために地図がある。
トールキンなど、作り込まれた世界の引きずり込まれる魅力はよくわかるんですが、自分ではそこまでいかない。」
「読者が見て、さらにそこから発想が広がるものを作りたい。その先はどうなるんだろう?ということは、読者のかたに先を作ってほしいなと思う。」楽しさのピークについては、「私が面白いと込めたことと、読者が受け取っている面白さにズレがある。…ある人は人口について興味を持っているかもしれない。歴史的な建物につないで街の歴史にフォーカスしているかもしれない。自分が作ったものに、誰が読むんだろう…(メモが途切れています、)」
維嶋さんが「自分の中にある何かテーマをはっきり言語化できますか?」と尋ねると、
「私ははっきり言語化しますね」と遊舷さん。
「もともと意識していたのが明確化してきたのがSF創作講座での梗概選出の仕組みで、それに慣れてきた」とのこと。この梗概を作る方法に問題があるとすれば、(書いているうちに?)勢いがなくなってくる。こと。
維嶋さんは、「いい梗概が書けたら次に行きたくなってしまう」
遊舷さんは、「私はいい梗概ができたらそのまま書くようにしている」
ここで新城さん、
「小説家というのは孤独でもなんでもなく、人に会わずに営業しなくてはいけない。」
文字面だけで、しかも読む前にお金を払わなければならないというナゾのシステム。どうやって目の前の新宿や神保町から来ている編集を説得するか。しかも2時間で…、と説得するためにわかりやすく内容を説明する様子を披露されていました。たとえば、永井豪のキューティーハニーを1行で説明するのにタラオバンナイ×変身小説、など。
そして、デビュー後に知ったそうですが、手順の一つとして、梗概は便利だとおっしゃっていました。自分の面白いと思ったことを読んでくれる人にどう説明すればいいのか。自分の考えていることを構造化するために。
八島さん、(おそらくうなずきながら)
「梗概は分かりやすくないと(ダメです)。」
ここで維嶋さん、
梗概前のうじゃうじゃ感について言及されます。
「梗概前のうじゃうじゃ感はどこからできて…(メモ不明瞭)
八島さん
「それは”ワンノート”でまとめている
すべてメモ書きしている」
八島さんは、梗概の中でそれを構造化するのだそうです。
「私は梗概=地図だと思っていて、時間的な因果関係が地図になっているのが梗概です。
地図は何枚も書かなければいけない。混沌とした作品世界を筋立ててわかりやすくする。
地図はわかりやすく、目的を持って削っていく。同じく梗概も削る。固有名詞を出すと伝わらない。
ここで新城さんが、京都造形大学での授業で左右の目の違うキャラについて延々と書く生徒さんが毎年必ず一人はいる、というお話をされます。僕も若い頃は同じようなことをしているうちのひとりだったのですがと断られた後、「葛藤の時間変化を書くのが梗概だとすると、分解写真的にシーンが焼き付いている。彼らのものの捉え方はアニメ的。アニメのモックアップや戦闘画面のように若い人たちはやっている。」
目の色髪の色だけでそのうち小説を書く人が出てくるかもしれない。とお話を維嶋津さんが結ばれてから、会場に対して『梗概』についてのの説明がありました。
梗概(コウガイ):400字で2枚くらい。A4一枚。ベースの設定。葛藤、時間の流れ、どんでん返し。オチを書く。
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本日は、ここまでにします。
読みにくくてごめんなさい、メモ、まだまだあるんです。
だんだん、さらに面白かったことを思い出してきました!
また続きをかきますね♪
詳細(イベントページより転載しますね)
イラスト・動画・漫画・詩・小説……いま、さまざまな人が、さまざまな方法で、自分の作品を発表しています。
人はなぜ、架空の世界を形にしようとするのでしょうか。その衝動はどこからきて、どこに向かうのでしょうか。
「架空世界×〇〇」をテーマに、ゲストとのトーク、および展示が行われました。
■登壇ゲスト(敬称略)
作家。架空言語研究者。グランドマスターを務めたプレイバイメールゲーム『蓬莱学園』をベースとした小説『蓬莱学園の初恋!』で、1991年にデビュー。代表作として『島津戦記(新潮文庫nex)』『星の、バベル(ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)』『サマー/タイム/トラベラー(ハヤカワ文庫JA)』など。
・今和泉 隆行
1985年生まれ。7歳の頃から空想地図(実在しない都市の地図)を描く。 大学生時代に47都道府県300都市を回って全国の土地勘をつける、情報デザイン、記事執筆、社員研修、テレビ番組やゲームの地理監修・地図制作に携わっている。2015年に東京ミッドタウンデザインハブ「◯◯◯も◯◯◯も◯◯◯も展」、2017年に都城市立美術館「南九州の現代作家たち Message2017」出展。主な著書に「みんなの空想地図」(2013年)。
・八島游舷
作家。「天駆せよ法勝寺」にて2018年 第9回 創元SF短編賞を、「Final Anchors」「蓮食い人」にて2018年 第5回 日経「星新一賞」グランプリおよび優秀賞を受賞。