2017年9月19日 高木豊さん講演『夢を追いかけるために』(後半)
高木豊さん講演 つづき
おまたせいたしました!後半を起こしましたので、ぜひご覧になってください♪
当日お子さん連れでいらしていて「講演をしっかり聞けなくて残念でした」というお母さんたち
にお会いして、ぜひお届けしたい、と思ったのと、読み返してみて、何度見ても取り入れていきたいな。
まだできていないな。というお話がたくさんあったので、楽しんで読みかえせました。
↓こちらは前半です。
『夢を追いかけるために』高木豊さんの講演について - 椿りつの忘備録
それでは高木豊さん講演『夢を追いかける為に』(後半)に参ります。
*(お子さんの)頭も悪い、と思われても不安がらないように。
とおっしゃられていました。
「勉強はいつだってできる。」
高木さんは、引退してから早稲田の夜学で無料で勉強されたそうです。
誘われて、小説家の授業を受けたとおっしゃっていました。
小説家は恋愛を書いても「この一言をいいたくて書いている」
というものがあるそうです。
このあと不徳ながら、私のノートが環境づくりのお話に飛んでいます。
居間にサッカーボール、バット・グローブ.ボールをおく
絵本・クレヨン・ボール・ブロックなどでも。とスポーツ以外の例もあげられていたと思います。
これは、片付けずにいつでも遊べるようにしておくことが大切なのだそうです。
また、親にとっては時間の管理に頭の痛いゲームについても、
子どもがそこで何をやっているのかを見ることが重要だそうです。
「とにかく黙って見る。どんな戦略や戦術を使っているかを、見る。」
これはきっと、野球やサッカーでも、目的をもってプレイをしているかどうかを見て、
親は適切な声かけやそれをするタイミングを意識する、ということだと思います。
また、思春期や反抗期についてもお話されていました。
「これは虫で言えば脱皮し始めた時期。皮を脱げないでイライラしている」そうです。
大人の第一歩で、興味本位で突っ張ってみたい時期なのだそう。
高木さん曰く「むこうが固いものになったら、こちらは柔らかいものになればいい」
「ああそうなんだ。それはご立派なこと。」と、大人なんだからスポンジのように
口を挟まずに話を聞いてあげる。「ふ~んそれで。りっぱだね」
(ご自身は)野球をやっていないと反抗期があったと思う。
「”ここで更生させなきゃ”は逆効果。」ともおっしゃっていました。
息子たちが相談しに来たら、向き合って必ず話をした。
(親に対して、子どもたちに向き合う時に)「後にして」はやめてほしい。
→大事な話?じゃ、ご飯食べ終わってからゆっくり話そう。
ちゃんと向き合ってTVも消して、どういう悩み、話?
あ、これはこうだな?と思っても、全部を言わしてあげる。
まっこう否定がよくない。
ここでタイガーウッズの例をあげられていました。
タイガーウッズがプロに転向するとき、父親がアメフトの試合を見ている最中だったのに、
TVを消して向き合ってくれたそうです。
アメリカではアメフトの試合を見ることはとても大事な行事だそうで、
これを消してまで自分にむきあってくれる父親の存在がウッズにとっては大きかったというお話でした。
話し合いは、小さい時から始めておくと円滑。
(子どもにとって)「うちは話し合いのときはきちんと話してくれる。」という環境を整えておく。
その都度、対話をすることが、大事とのこと。
これには大いにうなづくのですが、…実情、私はなかなかできていないように思います。
対話の方法の習得や母の心構えのほか、こういうことをよく出来ているかたにもっと接近できたら、
そういった方法をうつしてもらえるのかな…。と、日々のことなので、意識していきたいと思います。
成人した息子さんたちが進路を進められた時の話題も参考になりそうでした。
まず、息子さんたちが高校生の時に、選択肢を5、6個考えられたそうです。
高木さんの場合は、息子さんたちがサッカーをされていたので、
1プロになる、2留学する3サッカーをやめる4専門学校に行く5大学に行く
という選択肢をあげ、とりあえず全部、みてきてごらん。と、
お子さんたちにそれぞれのいいところと悪いところを見てきてもらったそうです。
「どんな環境でどうなのか、ちゃんと自分で見てきてもらう。」ということを徹底されたとのこと。
「頭ごなしにこれダメだ。って決めるな。」と、興味のないかもしれない他の選択肢も、
きちんと自分で見ることをお話され、あとは決定権を子どもたちに与えられたそうです。
さらに、「決定した選択肢でもしなれなかったとしたら、その逃げ道を作ってあげる。」
とおっしゃっていました。例えば、医者だとしたら、浪人を許してあげる。などです。
嫌なことから逃げさせない。自分の得意なことしかやらなくなる。ともおっしゃっていました。
このあたりは、高木さんだから矛盾なくできるのかな…。難しいな。
と思いながら伺っていました。
また、「高木豊式 どのような子供に育てればいいか3つの要素」も伺いました。
1、人の良いところを見れるような子供を育てて欲しい。
わるい人は働く環境を暗くする。人の良いところを見れる人じゃないと前に進まない。
家庭でもボジティヴなことを話す。(「あの子は素敵な子だね」など)
(そうすると)前進できる子になる。自分の良いところで勝負していく。
2、ものの本質をしっかり見極められる子。
家庭の中で子供の意見をしっかり聞いてあげる。
→ゴマすり。ものの本質を変えてまで。
生き方を変えてまでゴマをする?
誰が言ったかではなく、何が正しいかでしっかり見極めができる子。
自分の主張として正しいという意見をいえる、裏づけができる子。
指示まち症候群はいみがない。
本を読んだり映画を見たりすると良い。
これは何を訴えているんだろう?ということを見抜けるかどうか。
3、能力よりもひとりでコツコツ真摯にできる子
一生懸命やったら褒める。
能力にあぐらをかくと、組織を軽視する。
これは時期が来るとはぐれものになる。
嫌なことから逃げさせない。組織にとって大切な人。
なんでも良いから一生懸命コツコツやる子に。
3などは、野球というチームで結果を出すスポーツの世界出身の高木さんならではの視点だなと思いながら、おおきな成果をチームで出す為には、必要なことなのだろうな。と思いました。
なんどか「嫌なことから逃げさせない。」
とキーワード的なお話を伺いましたが、嫌なことへの向き合い方など、後ろからの応援が的確にできる高木さんご自身の力によるところも大きいお話かも。と思いました。母である私自身、なかなか嫌なことすべてに向き合っていると辛いところもあるので、ここはお子さん自身や家庭の状況で大きく変わっていくところでもありそうです。
そして、子どもの個性のお話に。
なんと、「せっかちも個性」だそうで、また、口は災いの元、と、ご自身の体験などを話されていました。
また、心と体の成長の為の運動のお話では、小さい頃は女の子の方が勉強ができ、
大きくなると男の子の方が体力的には差ができること、
反射神経や動体視力が小学校6年生で最大になることなどお話されていました。
幼稚園の今は、いかに反射的なことをやらせるかが課題とのことで、
ボールを持ってきて投げる遊びなど、反射的なことをやるほど脳の回転が速くなるそうです。
「食べさせる」「反射神経」をやらないとカメになる。
いかに速く動くか。
成長痛が出てくる中学時代は持久をテーマに、高校時代はパワーと瞬発。
その他質問コーナーでは、勝つという体験について、お話されてました。
「勝った」ということ
子どもは勝たなきゃいけない。
勝つ喜びも知らない状況でしょう?
勝つことを前提にモノをやるか、勝とうとしながらやるか。
勝算を見出すためには、みんなで考えさす。そこが面白い。
『勝算』を持って戦略が見えての戦い方が面白い。
先に取ったら守ろうよ。(など、)
よし、今日はみんなチームとして、こうやろう!と過ごすとみんなで楽しい。
いじめの問題についても話されました。
必ず、挨拶だけは子どもにさせる。
ありがとう、いってきます、ただいま、いただきます、ごちそうさま。
この挨拶の様子で(子どもが)サインを出すため、
「どうした?何か元気ない?」と察することができるそうです。
いじめの時だけは、親が口をだして守ってやる。
出て行って環境を変えてやる。
携帯、グループラインでのいじめ。何か態度で表す。
また、子どもを育てるための仲間がなかなかできないというお母さんには、
子育ての本当の仲間なんてそうそう見つかるものではない。というお話をとうとうとされていました。
もし出会えたのなら本当に幸運なことなのだそうです。
その他の質問です。
<質問1>母として、悩む。アウトドアで人付き合いがよくなくてはいけないのでは…。
→子どもがお母さん、来てよっという時に応えてあげられるくらいでいい。
好んでみんながたむろしているからって付き合うことない。
そこが自分の良いとこ、個性。社会的な人もいれば、静かなのが好きな人もいる。悩む必要はない。
<質問2>子どもがピッチャーなのだが、エラーした人にひどく言ってしまう。
→一生懸命投げてておたくの子は負けたくない。
エラーした子が試合終わったらその子を呼んで、みんなでノックしてあげる。
そうやってとれば、次はエラーしないね。それでいい。でも、あまり出すとチームプレイだから。
<質問3>幼稚園のお母さんにお勧めできる本や映画はありますか?
→映画では中国の映画の『最愛の子』がよかった。
一人っ子政策の問題に対して提起している。中国の問題点を中国が考えている。
親の愛がいかに深いか。子育ては片手間では無理。向き合ってください。
このあたりで時間がずいぶんおしてしまい、公園はおしまいになりました。
お話を伺った時のことを思い出しながらメモを読み返してみて、
高木さんがいかに子どもの自主性を尊重されているか、また、選択肢の全容を理解した上での
選択に重きを置かれているか、にお話の軸を感じます。
そして、そのうえでのサポートに余念がないところがまた、親の役目なのだな。と理解しつつ、
どう我が家のケースに当てはめていけるかな。と考えはじめています。
とても素敵な講演を、ありがとうございました。
(追記:
斎藤孝監修の『こども孫氏の兵法』という本を購入し、少しづつよみ語りを続けています。
また、『最愛の子』を家族で視聴しました。見終わってすぐの長男(小4)がボソッと
「お母さんはこんなに探してくれないよね」と、
なんとなく照れくささや甘えが見える一言を発したのをはじめ、
家族や親子とはなんなのか。人と制度についても考えを巡らす時間を得ました。
ご紹介を、ありがとうございました。)